クリムト展に行った
昨日、都美術館で開催されてるクリムト展に友達と二人で行った。
無料で入れた。大学生でよかった。
クリムトが18歳の頃に描いた少女の絵には面食らった。18歳であの光が描けてしまうという事実に少し食らった。天才の必要条件の一つを見てしまった気がする。
1890年代前後の分離派を設立したあたりの絵の尖り具合が格好良かった。
「女ともだち(姉妹たち)」1907年
「ユディトⅠ」1901年
「ベートーヴェン・フリーズ」1901年
の3つが特によかった。
「女ともだちⅠ(姉妹たち)」は前に立った時、絵から二人の女性の白い顔が1cmくらい浮き上がっているように見えた。そのくらい顔が印象的だった。黒いコートと帽子が縦長のキャンバス大部分を占めていて、その上端に二人の顔が配置された構図だった。下部と右端の一部に服のパターンが二次元的に、ビビットにバランスよく配置されてて、視線が顔に誘導された。照明もよかったんだと思う。
表情でいうと「ユディトⅠ」もめちゃくちゃ魅力的だった。「女ともだちⅠ(姉妹たち)」の女性も「ユディトⅠ」の女性も媚びてなくてこちらを見透かしていて少し嘲笑っているかのような目をしていた。クリムトはこういう女性が好きだったんだろうと思った。保守的な芸術界へ向けた視線でもあったんだろうとも思う。格好良かった。
「ベートーヴェン・フリーズ」は体のデフォルメ具合が最高だった。決して理想化した体じゃないんだけど、筋肉とか骨格とか脂肪とかが線と面で格好よく表現されていた。形!カーブ!直線!って感じで萌えた。日本を含めたアジアの資料を収集して研究していたらしいけど、吸収と昇華の仕方が天才だと思った。
あとは分離派の会報誌の表紙デザインとか分離派の展覧会のポスターもよかった。
シンプルな線と色のパターンがしびれあがるくらいに格好良かった。あれの格好良さってどうやって言葉で説明すればいいんだろう。イラレで作るパターンと違って、手でコントロールされた線の魅力が出てたのかな。正方形の会報誌に波のモチーフが抽象的に描かれていて、文字も書体とサイズと配置が最高だった。リトグラフが石版画だってことも初めて知った。今のポスターでよくマットでシンプルなパターンが使われているのをよく見るけど、こういうところに源流があるんだと思った。
自分の好きな顔と体の描き方を会得したいと思った。
おしまい。